:メンバーA(他責思考、過度な投影)
:メンバーB
他者の欠点探しや批判が日常的である。自己の内的な不満や不安を、外部のターゲットを見つけることで解消しようとする。
自分の行動や感情の源泉について深く考えず、問題が起きると必ず「他人のせい」にする。自己の内的な探求を拒絶する。
他者の無害な言動や中立的な態度に対し、過度に敵意や悪意を読み取り、攻撃の対象と見なす(敵意帰属バイアスを伴う)。
人や組織を非現実的なほど理想化し、その理想が崩れると一気に「裏切られた」と感じ、激しく攻撃・非難する。
自分の欲求不満や満たされない願望(例:成功したい、愛されたい)が達成できない原因を、常に外部の誰かに求める。
プロジェクトが多忙で、自分が休むことなく働いていることに不満を持つチームメンバーA(他責思考、過度な投影)が、定時で退社する別のメンバーBを責めている場面。
メンバーAは「休みたい」という無意識の欲求を認められず、それを「メンバーBはサボっている」と投影している。
メンバーBは自分の業務を計画的に処理し、定時で退社している。
今日も定時帰りか。このプロジェクトがどれだけ逼迫しているか理解しているのかい?
お疲れ様です。はい、理解しています。ただ、今日の自分の業務は計画通りに完了しましたので。
完了? 周りがこんなに残業している中で、自分の仕事だけさっさと終わらせて、楽をしたいんだろう(責任の外部化)。君はチームへの責任感がない(批判の常態化)。 (→ 自分の無意識の「楽をしたい」という願望や、「責任感がないのでは」という自己不安を相手に押しつけている。)
そうは見えませんでしたか。しかし、私は今日、自分の役割を果たしました。ご懸念であれば、私のタスク完了リストを確認いただけます。
リストなんてどうでもいい。その余裕のある態度が、やる気がない証拠だ(敵意の拡大解釈)。僕たちが忙しいのに、君は知らん顔。本当に無責任な人間だ(内省の回避)。」 (→ 自分の疲労や不満を相手の『余裕』に帰属させ、相手を悪者にすることで自己の正当性を保とうとしている。)
私が無責任であるかどうかは、あなたが判断することではないと思います。私は私の業務管理に責任を持っています。あなたがもしご自身の業務で手が回っていないのであれば、それを正直に相談すべきです。
何を偉そうに。僕が手が回っていないわけがないだろう! 僕が言っているのは、君のプロとしての意識が低いということだ!」 (→ 相手が内省を促したが、それを拒絶し、さらに投影を強化する。)
分かりました。では、私の意識の低さがあなたの作業に影響を与えているのなら、具体的に私のどの作業があなたの負担になっているのか教えていただけますか? 明日からその部分を改善します。
……(具体的な指摘ができず沈黙)。そうじゃなくて! この状況を見て見ぬふりをしているのが問題だ!」 (→ 投影は具体的な解決策を伴わない感情的な非難であるため、相手が論理的な問いを投げかけると、答えに窮する。)
あなたの『状況を打開したい』という気持ちは理解できますが、それは私の退社時間とは別問題です。私も明日朝から集中して作業を始めたいので、今日はこれで失礼します。
メンバーAの無意識下の心理が以下のように作用しています。
step1
自己の欲求(例:休みたい)を抑圧する。
step2
抑圧した欲求を「悪いもの」と認識する。
step3
その「悪いもの」を、安心して攻撃できる外部のターゲットに移す。
→ 「メンバーBは休んでいる(悪いこと)=無責任だ」と認識。
投影を仕掛けられた側が冷静に「それはあなたの問題ではないか?」と境界線を明確にし、感情的な非難ではなく「具体的な解決策」を求めると、投影のエネルギーは弱まります。
感情論になるということは、何かしらの原因により余裕がなくっている状況である可能性が高いです。
相手の土俵には上がらず、上手く受け流して対応することが自分の身を守ることに繋がります。
相手を変えることは膨大なエネルギーが必要です。相手の問題を自分の問題にしないことにより、自己防衛力が上がります。
投稿日: 2025年12月31日 - 更新日: 2026年1月11日