:後輩:実力を「運」だと思い込む
:メンター:客観的な視点の持ち主
自分の能力不足が周囲に露呈することを極度に恐れ、常に「仮面」を被っているような緊張状態にある。
自分の成功を「実力」ではなく、「運が良かった」「タイミングが合った」「周囲が勘違いしている」と、外部要因のおかげだと信じ込む。
無能さがバレないよう、必要以上の長時間労働や過剰な準備(オーバーワーク)を行い、心身を疲弊させる。
「100点でなければ0点と同じ」と考え、わずかなミスでも自分を激しく責め、自己評価を極端に下げる。
他者からの褒め言葉やポジティブなフィードバックを、「お世辞だ」「実態を知らないだけだ」と心の中で拒絶し、受け入れない。
大きなプロジェクトを成功させ、社内で表彰された後輩(インポスター症候群)が、それを素直に喜べず不安になっています。メンターが、後輩の認知の歪みを修正しようとしている場面。
プロジェクトの成功とMVP受賞、本当におめでとう! クライアントからの評価も最高だったじゃないか。
ありがとうございます…。でも、正直に言うと、あれは本当に運が良かっただけなんです。たまたまクライアントの担当者が良い人だっただけで、私の実力じゃありません。」 (→ 成功を「運」や「相手」のおかげだとし、自分の能力を否定している。)
運も実力のうちと言うけれど、あの複雑な交渉をまとめたのはあなたの準備と粘り強さだよ。もっと胸を張っていいと思うけど?
そう言っていただけるのは嬉しいですが…怖くて仕方ないんです。今回は上手くいきましたが、これで周囲の期待が上がってしまったら、次は絶対に失敗して、私が実は無能だってことがバレてしまう気がして…。」 (→ 期待されることが「プレッシャー」ではなく「正体がバレる恐怖」になっている。)
なるほど、期待されるのが『無能さがバレるカウントダウン』に感じているんだね。でも、君はこの会社に入って3年、ずっと成果を出し続けているよね。もしそれが全部『まぐれ』だとしたら、君は『運だけで3年間もプロを騙し続けた天才詐欺師』ってことになるぞ?
天才詐欺師…ですか? いえ、そんなつもりはないですけど…。」 (→ 「3年間騙し続けることの不可能性」を示唆し、論理的な矛盾に気づかせる。)
そうだろ? 3回連続でホームランを打ったら、それは風のせいじゃなくて、バッティング技術があるからだ。あなたは『100点満点の完璧な自分』しか認めていないんじゃないか? 80点でも十分すごい成果なんだよ。
確かに…ミスがないことだけが、自分の価値を守る唯一の方法だと思っている節はあります。少しでもミスをしたら、全ての信用が崩れる気がして。
その恐怖は、責任感が強い証拠でもある。でも、これからは『私は詐欺師だ』と考える代わりに、『私は今、成長痛を感じている』と考えてみてはどうだ? 不安なのは、君が新しいレベルに挑戦している証拠だよ。
インポスター症候群の人は、謙虚さゆえに好感を持たれることも多いですが、放置するとバーンアウト(燃え尽き)につながる危険があります。
上記の会話のように言葉を変えて思考の癖(認知の歪み)を解きほぐすには?
【外的帰属への反証】
「3年間の継続的な成果」という客観的事実を突きつけ、「運だけ」では説明がつかないことを論理的に示しました。
【リフレーミング】
「詐欺師(ネガティブ)」という自己認識を、「責任感が強い」「成長痛(ポジティブ)」という言葉に置き換えました。
現代社会はSNSでの比較や、変化の速い環境により、この症状が強化されやすい傾向にあるようです。
現代社会ではSNS等によって情報過多になっています。そんな中で自分よりも優秀な人は無数にいるように思えると、自分に自信がなくなり、失敗した時の保険をかけてしまうのは仕方がないことです。 褒められた時には「運が良かった」など謙遜するのではなく、「ありがとうございます」と感謝を伝えるようにするといいのではないでしょうか。 褒められたということは誰かの役に立てたということです。であれば、矢印を自分に向けるのではなく、相手に向けてしまいましょう。
投稿日: 2026年1月5日 - 更新日: 2026年1月5日