:管理職A(確証バイアスが強い)
:管理職B(客観的データを重視)
自分の意見に同調するSNSアカウントやメディアのみを情報源とし、反対意見を含む情報は意図的にシャットアウトしている。
自分の信念を否定する明確なデータや論理的な事実が提示されても、「デマだ」「陰謀だ」として、信憑性を低く評価する。
他者に質問する際、自分の仮説を裏付ける答えを引き出すような、誘導的な聞き方や質問文を選ぶ傾向がある。
自分の信念に合致した過去の出来事や成功例を過大に記憶し、矛盾する失敗例や反証例を都合よく忘れたり、軽視したりする。
自分の信念に反する強力な証拠を突きつけられると、かえって自分の信念をさらに強く確信するようになる。
管理職A(確証バイアスが強い)は「リモートワークは生産性を極端に下げる」という信念を強く持っており、管理職B(客観的データに基づき議論しようとしている)と対話している場面。
やっぱりリモートワークはダメだ。対面でないと、社員は絶対にサボる。生産性なんて上がっているはずがないんだ。
でも、最近の業界レポートでは、『適切なツールを導入した企業では、通勤時間の削減により生産性が平均15%向上した』というデータが出ていますよ。
そんなデータ、信用できないね(②反証情報の無視)。データなんて、いくらでも都合よく作れるんだ。きっと、リモートワーク推進派の企業が出したインチキな数字だろう。 (→ 自分の信念に反するデータを、情報源ごと否定している。)
調査機関は第三者機関ですよ。なぜそう断定できるのですか?
だって、僕が毎日見ているSNSのビジネスインフルエンサーたちは全員、『リモートで成果を出しているのはごく一部の優秀な人間だけだ』って言っているぞ(①情報源の偏り)。うちの社員も、本当はみんな家でダラダラしているに決まっている。 (→ 自分の信念に合致する、偏った情報源の意見を絶対視している。)
では、リモートでも生産性を維持している社員もいるという事実についてはどう考えますか?
維持しているように見えるだけだろう。君も対面で会わないと、本当に社員が集中して仕事をしているか不安にならないかい? (③質問の誘導性) やっぱり、サボっている気がするだろう? (→ 自分の仮説(サボっている)に同意させようと、誘導的な質問を投げかけている。)
私は先週、社員のCさんの報告を受けて、彼は対面時より集中できていると感じました。その証拠に、彼が担当したクライアントアンケートでは、過去最高の回答率を達成しています。
過去最高だと? それはたまたまアンケートの内容が良かっただけだ。逆に言えば、他の社員はもっとサボって、Cの成果を打ち消しているに違いない(⑤信念の強化)。ほら、やっぱり対面に戻すべきだ。 (→ 強力な反証(Cさんの成功)を突きつけられた結果、かえって別の(検証不能な)否定的な仮説を生み出し、元の信念を強く確信している。)
確証バイアスは、インターネット時代のアルゴリズムによって強化されます。SNSや検索エンジンはユーザーの過去の行動に合わせて情報を提供するため、ユーザーは意図せず情報源の偏りが生じ、自分の信念が正しいと錯覚し続けます。
このバイアスが強く働くと、今回の管理職Aのように、客観的な事実や建設的な議論を受け入れることが不可能になり、組織全体の意思決定を停滞させる大きな原因となります。
自己の信念を貫き通すことが必要な場面もありますが、固執しすぎると判断を誤る可能性もあります。何事もバランスを取って選択する必要があるのではないでしょうか。
投稿日: 2025年12月31日 - 更新日: 2025年12月31日