:上司(適切な帰属を行う)
:ベテラン(原因をすべて自分に帰属)
自分の失敗も他人の失敗も、原因を「状況(環境)」と「個人(能力)」の両方からバランス良く分析できる(根本的な帰属の誤りを回避)。
失敗やネガティブな結果を「永続的な原因(性格、能力)」ではなく、「一時的な原因(体調、運、時間不足)」に帰属させる。
特定の失敗を「すべて」に広げず、その事象だけに限定して考える。「この案件だけが特殊だった」と考える。
自分の成功は能力(内的)に帰属させつつ、他者の成功に対しても素直に能力(内的)を認められる。
他者のネガティブな行動に対し、その「行動の意図」をすぐに悪意と断定せず、複数の可能性を探る冷静さを持つ(敵意帰属バイアスを回避)。
チームのベテランが、プレゼンの資料作成をミスし、取引先から厳しい指摘を受けました。上司(適切な帰属を行う人物)が、ベテランに話を聞いている場面。
今回の資料の件、お疲れ様。指摘は厳しかったが、最終的にはリカバリーできたな。あのミスはなぜ起きたと思う?
申し訳ありません。あれは完全に私のミスです。私には、もう細部をチェックする能力がないのだと思います。こんな簡単なミスをするなんて、もう年齢のせいか、才能がないとしか言えません。(→ 失敗の原因を『永続的な能力の欠如(内的・安定的)』に帰属させている。)
能力がない、というのは少し言い過ぎだろう(①帰属の対称性)。Lさんがこれまで完璧な資料を作ってきた実績を、私はよく知っている。あの日の状況を教えてくれるか?
実は、昨晩子供が熱を出してほとんど寝られず、締切が重なっていたので徹夜に近い状態でした。それで最後の数字を間違えたのだと思います。
なるほど。原因は『あなたの能力』ではなく、『極度の睡眠不足』と『納期が重なった特殊な状況』だ(②一時的帰属・③特殊的帰属)。体調が万全なら、このミスは起きていないだろう?
そうかもしれませんが、あの取引先の担当者は、私が失敗するのを待っていたように、ものすごく厳しく責めてきました。やっぱり、うちの会社を信用していないのだと思います。 (→ 他者の行動を悪意(敵意帰属バイアス)に帰属させ始めている。)
信用されていない、と断定する前に、別の意図は考えられないか(⑤意図の明確化)? 担当者は上層部から厳しく期限を守るよう言われていて、単に自分の立場を守りたかっただけかもしれないぞ。
自分の立場の保身…そうかもしれません。あの担当者はいつも必死ですから。私がつい感情的になっていました。
大事なのは、誰の能力がどうとか、誰が悪いかという問題ではなく、『次からこのミスをどう防ぐか』だ。今回の原因は『睡眠不足』と『多重な締切』だから、今後は『重要な資料は必ずダブルチェックできる時間的余裕をスケジュールに組み込む』という仕組みで対応しよう。
はい、構造的な改善をします。ありがとうございました。少し冷静になれました。
何か失敗した際に原因を客観的に分析することが大切です。悲観的な帰属スタイル、楽観的な帰属スタイルでは下記のような影響が懸念されます。
【悲観的な帰属スタイル】
失敗を「自分(能力)」の「永続的な」原因に帰属 → 意欲喪失、うつ状態に繋がりやすい。
【楽観的な帰属スタイル】
失敗を「環境(状況)」の「一時的な」原因に帰属 → 課題への粘り強さ(レジリエンス)が高まる。
今回の会話例では、「失敗の原因は状況に、成功の原因は能力に」という健全な帰属の枠組みを使うことで、ベテランの自己効力感の低下を防いでいます。
これらを自分の中で行えるようになれば、切り替えが早く、ストレスを必要以上に感じなくなるのではないでしょうか。
”どうでもいいな”の精神は自分を客観視する魔法のキーワードです。
投稿日: 2025年12月31日 - 更新日: 2025年12月31日